マネージドサービスプロバイダー(MSP)が抱えるサイバーセキュリティ上の課題は、多くの組織とは異なる。エンドポイントの保護は重要だが、MSPには、顧客を追加するたびに新たな管理負担が増える事態を避けながら、複数の顧客にまたがってセキュリティを管理することも求められる。
今回レビューした製品は、この課題にそれぞれ異なるアプローチを取っている。
エンドポイントセキュリティにバックアップと復旧を組み合わせ、パッチ適用や幅広いIT管理機能も提供する製品がある。一方、脅威の防止と検知により大きく重点を置く製品もある。こうした機能はEDRやXDRにまで拡張でき、MDRを提供するプラットフォームもある。
Acronis Cyber Protect Cloud、NinjaOne、Bitdefender GravityZone Cloud MSP Security、Sophos、ESETについて、顧客環境を保護しながらMSPが大規模運用を効率化できるかという観点で比較した。
独立したセキュリティテストについては、テスト対象製品との関連性が十分に高い場合に考慮した。顧客からのフィードバックも補足情報として参照したが、MSP向け製品の提供内容または基盤技術に関連するレビューだけを対象とした。
最終的に最適な選択肢は、MSPが何を最も必要としているかによって決まる。セキュリティとバックアップの統合を優先するプロバイダーもあれば、エンドポイントの自動化強化や、より高度な脅威検知を必要とするプロバイダーもある。より幅広いマネージドサイバーセキュリティサービスを構築するMSPは、複数のセキュリティサービスをサポートできるプラットフォームを重視する可能性がある。
MSP向けサイバーセキュリティソリューション比較
ソリューション | 最適な用途 | MSP向けの主な機能 |
| Acronis Cyber Protect Cloud | サイバーセキュリティとバックアップ・復旧の統合 | マルチテナント型バックアップ、エンドポイントセキュリティ、DR、管理 |
| NinjaOne | エンドポイント管理と自動化の効率化 | マルチテナント型RMM、パッチ適用、バックアップ、エンドポイント運用 |
| Bitdefender GravityZone Cloud MSP Security | 多層的なエンドポイント脅威の防止と対応 | マルチテナント型の防御、EDR、XDR、MDR |
| Sophos | マネージドセキュリティサービスの統合 | エンドポイント、MDR、ファイアウォールなどを備えたSophos Centralとその他のサービス |
| ESET | 柔軟なMSPライセンスとエンドポイントセキュリティ | 従量課金型MSPライセンスを備えたESET PROTECT |
Acronis Cyber Protect Cloud
サイバーセキュリティとバックアップ・復旧の統合に最適
総合スコア:4.8/5
- MSP管理と拡張性:4.9/5
- エンドポイントと脅威の保護:4.7/5
- バックアップとサイバーレジリエンス:5.0/5
- 自動化とインテグレーション:4.8/5
- 使いやすさと管理:4.6/5
- 価格とライセンスの柔軟性:4.7/5
Acronis Cyber Protect Cloudが際立っているのは、エンドポイントセキュリティにとどまらない課題に対応できるためだ。このプラットフォームはエンドポイント保護とバックアップ・復旧を統合し、MSPが本来なら別々の製品を必要とする機能を統合できるようにする。集中型のセキュリティ管理がこのアプローチを支え、ワークフロー自動化によってコードを書かずにサービス横断のプロセスを構築できる。
この組み合わせは、ランサムウェアへのレジリエンスに特に役立つ。Acronis Active Protectionは自動復旧を備えたランサムウェア対策機能を提供し、セキュリティスタックにはAIベースの静的・振る舞い型マルウェア解析が組み込まれている。防止だけでは不十分な場合にMSPが顧客のワークロードを復元できるよう、バックアップがもう1つの保護層を加える。
独立したテストからは、エンドポイント保護に関する追加の裏付けも得られる。 Acronis Cyber Protectは、AV-TESTの2026年2月の法人向けWindows評価で、保護性能について満点の6/6を獲得した。4月と6月にも同じスコアを得ている。Acronisは各評価でパフォーマンスも6/6、使いやすさも6/6を獲得した。これらのテストが対象としたのはCyber Protectであり、Cyber Protect Cloudで利用できるすべてのサービスではない。そのため、MSPプラットフォーム全体ではなく、基盤となるエンドポイント保護の有力な根拠として捉えるべきだ。
Acronisはサービスプロバイダーに大きなライセンスの柔軟性も提供している。MSPは顧客テナント単位でライセンスモデルを選択でき、サービスのパッケージ方法に応じて異なる契約形態を利用できる。AcronisはCyber Protect Cloudについて、テナント数とワークロード数が無制限で、価格は個別見積もりになるとしている。
レビュアーは、集中型の管理とバックアップ機能を高く評価することが多い。プラットフォーム内で複数の機能を組み合わせられる点も評価されている。一方、習得に時間がかかる可能性を指摘するレビュアーもいれば、パフォーマンス上の問題が時折発生すると述べるレビュアーもいる。顧客からのフィードバックでは、価格も検討事項として挙げられている。
メリット
- サイバーセキュリティとバックアップ・復旧を統合
- 強力なマルチテナント型MSPアーキテクチャ
- ランサムウェア対策を標準搭載
- 柔軟なサービスプロバイダー向けライセンスオプション
- ワークフロー自動化により反復的な管理作業を削減
デメリット
- 幅広い機能セットが複雑さを増す可能性がある
- 複数のサービスによりコストの予測が難しくなる可能性がある
価格:Acronisは、エンドポイント単位の一律料金を公開せず、Cyber Protect Cloudを個別見積もりとしている。ただし、MSPがコストを見積もるためのオンライン料金計算ツールを提供している。MSPは複数のライセンスモデルから選択でき、契約期間やコミットメントにもさまざまな選択肢がある。クラウドストレージは、従量課金制で別途請求することもできる。
プロのヒント:エンドポイントセキュリティの価格だけを単独で比較するのではなく、既存ツールをいくつ置き換えられるかという観点でAcronisを評価しよう。
最終評価:Acronis Cyber Protect Cloudは、セキュリティとサイバーレジリエンスを1つのプラットフォームに統合している。MSPは顧客システムを保護できるだけでなく、防止に失敗した場合の復旧手段も確保できる。
NinjaOne
エンドポイント管理と自動化の効率化に最適
総合スコア:4.7/5
- MSP管理と拡張性:4.9/5
- エンドポイントと脅威の保護:4.4/5
- バックアップとサイバーレジリエンス:4.6/5
- 自動化とインテグレーション:4.9/5
- 使いやすさと管理:4.9/5
- 価格とライセンスの柔軟性:4.5/5
NinjaOneは、エンドポイント管理を中心に構築されたプラットフォームにセキュリティ機能を組み込んでいる。マルチテナント型のプラットフォームは、RMMとエンドポイント管理、自律型パッチ適用を統合し、MSPが顧客環境全体を可視化して管理できるようにする。バックアップとリモートアクセスがこれらの機能を拡張し、PSAとセキュリティ機能がより幅広いサービス提供を支える。
パッチ適用は、NinjaOneのサイバーセキュリティ上の大きな強みの1つだ。プラットフォームはWindowsとmacOSのシステムだけでなく、Linuxデバイスにも自動でパッチを適用できる。さらに、6,000以上のサードパーティーアプリケーションもサポートする。MSPは顧客環境全体にポリシーを適用し、エンドポイントを監視するとともに、特定の条件に自動で対応できる。
NinjaOneは、プロアクティブなエンドポイント管理とサイバーレジリエンスも結び付けている。自動パッチ適用によって既知の脆弱性への露出を減らし、エンドポイントバックアップによって顧客システムが中断した場合の復旧手段を提供する。
このプラットフォームは専用のエンドポイントセキュリティ技術と連携することもでき、顧客の要件に合わせた追加の保護機能をMSPが統合できる。これによりプロバイダーは、NinjaOneでエンドポイント運用を管理しながら、他のセキュリティツールをサービスに組み込む柔軟性を得られる。
オンラインのレビュアーは、NinjaOneの自動化機能を強みとして評価している。リモート管理とデバイスの可視性にも好意的な評価が寄せられている。管理の容易さを指摘するレビュアーがいる一方、複数の顧客環境を管理する際の運用負担を軽減できると具体的に述べるレビュアーもいる。
メリット
- 強力なマルチテナント型エンドポイント管理
- 優れたパッチ管理と自動化
- リモート監視とサポートを統合
- エンドポイントバックアップがランサムウェアへのレジリエンスを強化
- 使いやすさについて総じて高い評価
デメリット
- 高度な脅威検知にはインテグレーションが必要になる場合がある
- 幅広い機能を設定するには時間がかかる可能性がある
価格:NinjaOneのMSP向け料金は、エンドポイント数が10,000の場合、1エンドポイントあたり月額1.50ドルから始まり、エンドポイント数が50以下の場合は1エンドポイントあたり月額3.75ドルまで上がる。料金は地域と購入する製品によって異なる。これらの料金は、NinjaOneの商用・非FedRAMPインスタンスを利用する顧客にのみ適用される。
プロのヒント:MSPがエンドポイント管理に最も時間を費やしている箇所を検討しよう。パッチ適用が一貫していない場合や、デバイスの可視性が限られている場合、NinjaOneは特に有用だ。自動化により、顧客環境全体で反復的な管理作業を削減できる。
最終評価:NinjaOneは、MSPが顧客環境全体を管理できるよう支援するセキュリティ機能と、集中型のエンドポイント管理を統合している。インテグレーションによって、プロバイダーは顧客の要件に合わせた専用のセキュリティ技術も組み込める。
Bitdefender GravityZone Cloud MSP Security
多層型のエンドポイント脅威防止と対応に最適
総合スコア:4.7/5
- MSP管理と拡張性:4.8/5
- エンドポイントと脅威の保護:5.0/5
- バックアップとサイバーレジリエンス:4.1/5
- 自動化とインテグレーション:4.7/5
- 使いやすさと管理:4.5/5
- 価格とライセンスの柔軟性:4.8/5
Bitdefender GravityZone Cloud MSP Securityは、顧客環境全体でサイバーセキュリティサービスを提供することを中心に構築されている。マルチテナント型のプラットフォームは、システムの強化と脅威防止を組み合わせている。リスク分析によって、MSPは潜在的なセキュリティ上の弱点を特定し、優先順位を付けやすくなる。
そのセキュリティスタックは、基本的なウイルス対策を大幅に上回る。GravityZoneのMSP向け製品には、高度なエクスプロイト対策が含まれ、オプションでパッチ管理とフルディスク暗号化も利用できる。Bitdefenderは、より高度な検知と対応機能を必要とする組織向けにEDRとXDRも提供している。MDRでは、マネージドセキュリティの専門知識を利用できる。
Bitdefenderは、 AV-Comparativesの2026年上期Business Security Testに含まれていた。GravityZone Business Security Premiumは、実環境を想定した400件のテストケースで、誤警報4件、99.8%の保護率を達成した。
このテストで使用されたのはMSP専用のCloud MSP SecurityパッケージではなくBusiness Security Premiumだった。そのため、この結果はGravityZoneの関連する保護技術の有効性を示すものであり、MSPサービス全体を対象とした独立テストの結果ではない。
G2では、GravityZone Cloud MSP Security自体ではなく、GravityZone XDRなど特定のGravityZone製品について顧客からのフィードバックを確認できる。これらのレビューは、GravityZoneのインターフェースやセキュリティ技術を理解するうえで有用だが、評価をMSP向け製品の評価として解釈すべきではない。GravityZone XDRのレビュアーは、集中型の可視性と柔軟なポリシーを高く評価することが多い。一方、ナビゲーションが難しいと感じるレビュアーもいれば、設定の複雑さに言及するレビュアーもいる。
メリット
- 優れたエンドポイント脅威防止
- サービスプロバイダー向けに設計されたマルチテナント型コンソール
- 幅広い検知と対応のオプション
- 柔軟な月額従量課金モデル
- 独立したセキュリティテストで堅実な結果
デメリット
- 高度な機能により設定が複雑になる可能性がある
- バックアップには補完的なサービスが必要になる場合がある
価格:BitdefenderはGravityZone Cloud MSP Securityの標準価格を公開していない。MSP向けライセンスは、ディストリビューターやRMMパートナーを通じた月額従量課金となる。最低利用期間の約束は不要で、顧客全体の利用量を集計することでボリューム価格の対象になる場合がある。
プロのヒント:顧客が実際に利用するセキュリティサービスを中心にGravityZoneのパッケージを構成しよう。どこでも同じセキュリティスタックを導入するのではなく、顧客ごとの要件に応じて機能を有効化できる。
最終評価:Bitdefender GravityZone Cloud MSP Securityは、エンドポイント保護と高度な検知・対応機能を組み合わせている。これによりMSPは、顧客の要件の変化に応じて提供するセキュリティサービスを拡張できる。
Sophos
マネージドセキュリティサービスの集約に最適
総合スコア:4.6/5
- MSP管理と拡張性:4.7/5
- エンドポイントと脅威の保護:4.8/5
- バックアップとサイバーレジリエンス:4.0/5
- 自動化とインテグレーション:4.7/5
- 使いやすさと管理:4.7/5
- 価格とライセンスの柔軟性:4.6/5
Sophosは、パートナープログラムとSophos Centralプラットフォームを通じてMSPを支援している。MSP向けプログラムとSophos Centralにより、プロバイダーはMDRと併せてエンドポイント保護を提供できる。Sophos Firewallはこれらのサービスをエンドポイントの外部にも拡張し、共通のクラウド環境によって顧客を一元管理できる。Sophos MSP Flexでは月額ライセンスが提供される。MSP Elevateプログラムでは、Sophosとの長期的な契約を結ぶプロバイダーに追加のメリットが提供される。
この幅広さにより、MSPはマネージドセキュリティサービスの多くを1社のベンダーに集約できる。検知と対応はエンドポイント保護を補完し、ネットワークセキュリティは顧客環境にもう1つの保護層を提供する。
AV-Comparativesは、2026年上期のBusiness Security TestでSophos Intercept X Advancedをテストした。Sophosは、実環境を想定した400件のテストで、誤警報2件、98.3%の保護率を達成した。
G2では、MSP Flexプログラムに特化したレビューではなく、Sophos Centralに関するオンラインのフィードバックを確認できる。Centralのレビュアーは、集中型のクラウド管理とエンドポイント保護に言及している。複数のSophos製品を統合できる点も評価されている。レポート機能とナビゲーションには改善の余地があるという意見もある。また、一部の高度な作業では個別の製品に移動する必要があるとの指摘もある。
メリット
- MSP向けの幅広いサイバーセキュリティポートフォリオ
- 強力なマネージド検知機能
- 集中型のクラウドベース管理
- MSP Flexによる月額従量ライセンス
- 独立したエンドポイントテストで優れた結果
デメリット
- バックアップには補完的なサービスが必要になる場合がある
- 幅広いポートフォリオによりライセンス管理が複雑になる可能性がある
価格:Sophosは、MSP Flexのエンドポイント単位の一律価格を公開していない。Flexパートナーは月額従量制のアカウントを作成し、個々の顧客に割り当てるライセンスを選択できる。請求は製品のインストール時点から開始される。Sophosはまた、上位ティアのライセンスを選択した場合、その機能の一部しか導入しなくても、ライセンス全体の料金が請求されると説明している。
プロのヒント:顧客環境全体で利用する予定のSophosサービス数を検討しよう。同じ管理環境を通じて複数のサービスを利用すれば、各製品を個別に評価する場合と比べて、管理を簡素化できる可能性がある。
最終評価:Sophosは、エンドポイント保護とMDR機能によってMSPを支援する。Sophos Firewallによって顧客ネットワークにも保護を拡張できるため、プロバイダーはマネージドセキュリティサービスを拡充する際の選択肢を増やせる。
ESET
柔軟なMSPライセンスとエンドポイントセキュリティに最適
総合スコア:4.6/5
- MSP管理と拡張性:4.7/5
- エンドポイントと脅威の保護:4.7/5
- バックアップとサイバーレジリエンス:3.9/5
- 自動化とインテグレーション:4.7/5
- 使いやすさと管理:4.6/5
- 価格とライセンスの柔軟性:5.0/5
ESETのMSPプログラムでは、ESET PROTECTエコシステムを通じて、サービスプロバイダーが顧客を一元管理できる。プロバイダーは、要件の変化に応じて顧客環境全体のセキュリティサービスを管理できる。
利用可能なセキュリティポートフォリオは、基本的なエンドポイント保護にとどまらない。MSPはエンドポイントとサーバーを保護し、必要に応じて高度な脅威防御やXDRを追加できる。
脆弱性管理とパッチ管理によって、露出を減らすための追加オプションも利用できる。ESETは、クラウドアプリケーション保護とフルディスク暗号化も提供している。クラウドワークロード保護によってカバー範囲をさらに広げられ、MDRではマネージド検知・対応サービスを利用できる。これによりプロバイダーは、すべての顧客に同じセキュリティ設定を強いることなく、顧客向けサービスを拡張できる。
AV-Comparativesの2026年上期Business Security Testでは、ESET PROTECT EntryとESET PROTECT Cloudの組み合わせが、実環境を想定した400件のテストで、誤警報2件、98.8%の保護率を達成した。テストされた構成はESET PROTECTに関連するものだが、MSPが導入できるすべてのオプションサービスを代表するものではない。
レビュアーは、集中型の管理と保護を高く評価している。比較的軽量なエンドポイント動作も、よく挙げられる強みの1つだ。ポリシー設定の習得には追加の時間が必要になる可能性を指摘するレビュアーもいる。これらのレビューはMSPプログラムに特化したものではなく、ESET PROTECT全般を対象としている。製品に関する有用なフィードバックではあるが、ESETのMSPビジネスモデルを評価するものではない。
メリット
- 非常に柔軟なMSPライセンスモデル
- 強力な多層型エンドポイント保護
- 幅広いESET PROTECTセキュリティポートフォリオ
- RMMおよびPSAインテグレーション
- 独立した保護テストで堅実な結果
デメリット
- バックアップには補完的なサービスが必要になる場合がある
- 高度なポリシー管理には習得の難しさが伴う可能性がある
価格:ESETは、MSP向けのエンドポイント単位の標準価格を公開していない。MSPプログラムでは利用量を毎日計算し、月次で請求する。定額料金や長期契約はない。販売量が多いMSPは、追加の割引を受けられる場合もある。
プロのヒント:顧客間でエンドポイント数が頻繁に変わる場合は、ESETを検討する価値がある。毎日の利用量計算により、顧客環境の変化に伴って不要になったライセンスの料金をMSPが支払わずに済む可能性がある。
最終評価:ESETは、多様な顧客要件に適応するエンドポイントセキュリティをMSPに提供する。ESET PROTECTのポートフォリオによって、プロバイダーは時間の経過に伴って提供するセキュリティサービスを拡張する選択肢も得られる。
MSP向けの最適なサイバーセキュリティソリューションを評価した方法
各ソリューションは、主にベンダーの最新ドキュメントとMSP向けの製品情報に基づき、重み付けした6つのカテゴリーで採点した。AV-ComparativesやAV-TESTなどの組織による独立テストで、十分に関連性のある製品がテストされている場合は、エンドポイント保護の評価にその結果も活用した。
G2などのサイトに掲載された顧客レビューからは、使いやすさと管理に関する追加の背景情報を得た。導入やその他の製品上の考慮事項に関するフィードバックも評価に加えた。
これらの評価は、各ソリューションがMSPに適しているかについての編集部による判断だ。実際に操作してテストした結果ではない。
評価基準
MSP管理と拡張性(25%):このスコアでは、マルチテナント管理と顧客の分離を評価した。また、一元化された可視性とポリシー管理に加え、複数の顧客環境にわたって拡張できる能力も確認した。MSP固有のワークフローとサービスプロバイダー向けの管理機能も追加で考慮した。
エンドポイントと脅威の保護(20%):エンドポイント保護については、マルウェアとランサムウェアの防止に特に注目して評価した。脆弱性管理やマネージド検知サービスとともに、EDR/XDR機能も考慮した。十分に比較可能な製品がある場合は、独立テストの結果も追加の判断材料とした。
バックアップとサイバーレジリエンス(15%):このカテゴリーでは、各プラットフォームがMSPによるランサムウェアなどの被害からの復旧をどの程度支援できるかを測定した。エンドポイントとワークロード全体のバックアップ機能に加え、利用可能なディザスタリカバリーの選択肢も評価した。
自動化とインテグレーション(15%):スクリプトや修復などの自動化機能を確認した。PSAおよびRMMとのインテグレーションに加え、APIや、MSPが一般的に利用する他のテクノロジーとの接続も考慮した。管理作業の反復を減らせるプラットフォームは高く評価した。
使いやすさと管理(15%):このスコアでは、導入と一元管理を評価した。日常的な管理や顧客からのフィードバックもスコアに反映した。顧客環境間を効率的に移動できることも重要な評価要素となった。
価格とライセンスの柔軟性(10%):公開価格の有無と従量制ライセンスを評価した。最低契約数やシート数の柔軟性も重要な要素とした。また、各ベンダーのライセンスモデルが、MSPのサービス販売方法にどの程度適合しているかもスコアに反映した。
よくある質問
MSP向けの主要なサイバーセキュリティソリューションにはどのような違いがあるか
適切なサイバーセキュリティソリューションは、MSPが提供するサービスと顧客のニーズによって異なる。Acronis Cyber Protect Cloudは、サイバーセキュリティとバックアップ・復旧を組み合わせている。NinjaOneはエンドポイント運用とパッチ自動化を重視し、Bitdefenderは高度なエンドポイントセキュリティ機能を提供する。
Sophosは、そのエコシステムを通じて複数のマネージドセキュリティサービスの提供を支援する。ESETは、エンドポイントセキュリティと柔軟なMSPライセンスを組み合わせている。こうした違いを比較することで、MSPはどのアプローチが顧客要件やサービスモデルに合うかを判断しやすくなる。
MSPにはどのようなサイバーセキュリティツールが必要か
最低限、MSPには信頼性の高いパッチ適用とエンドポイントの脅威防止が必要だ。一元化されたポリシー管理によって、プロバイダーは顧客全体で一貫したセキュリティを維持できる。EDRはより詳細な監視・対応機能を提供でき、MDRはMSP内部のセキュリティリソースを補完できる。
バックアップと復旧は、防止策と併せて検討すべきだ。ランサムウェア対策によって侵害の可能性は低減できるが、防止に失敗した場合に顧客のシステムとデータを復元する手段もMSPには必要になる。
MSPはサイバーセキュリティプラットフォームのどこを確認すべきか
まずはマルチテナント対応を確認する。あるセキュリティ製品が単一の企業ではうまく機能しても、MSPが数十、数百の個別の顧客環境を管理する場合には、運用が難しくなる可能性がある。
次に、自動化とライセンスを確認する。ポリシーの継承と自動修復によって反復作業を減らせるほか、効果的なパッチ適用はセキュリティ上の弱点を解消するのに役立つ。レポート機能とPSA/RMMインテグレーションも、顧客環境全体の効率を高められる。
ライセンスは、不要な契約上の負担を生じさせることなく、顧客の利用量に応じて拡大・縮小できることが望ましい。
まとめ
これらの製品の最大の違いは、単に提供するセキュリティ機能の数ではない。各プラットフォームが、MSPのセキュリティ運用のどの部分を簡素化するよう設計されているかという点にある。
Acronis Cyber Protect Cloudは、サイバーセキュリティとバックアップ・復旧を組み合わせている。NinjaOneはエンドポイント運用を中心とし、パッチ適用と自動化によって一元管理を支援する。リモート管理機能によって、MSPは顧客のエンドポイントを大規模に管理することもできる。
Bitdefender GravityZone Cloud MSP Securityは、エンドポイント保護と高度な検知・対応の選択肢を組み合わせている。Sophosはエンドポイント保護とMDRを支援し、Sophos Firewallによって顧客ネットワークにも保護を拡張できる。ESETは、日次の利用量に基づくMSPライセンスモデルとエンドポイントセキュリティを組み合わせている。
プラットフォームを選ぶ前に、運用で最も時間を消費している機能と、顧客が実際に必要としているセキュリティサービスを特定しよう。適切なMSP向けサイバーセキュリティプラットフォームは、そうした要件を満たしながら、顧客環境全体で一貫してセキュリティを提供しやすくするものだ。
手動によるエンドポイント保守を減らしたいMSPは、パッチ管理サービスを比較して、さらなる自動化の選択肢を見つけることもできる。





