脆弱性スキャンでは、社内外のITシステムを調査し、ハッカーに悪用される可能性のある弱点を見つけ出します。こうしたスキャンを実施することで、脆弱性が悪用される前に特定して対処し、サイバーセキュリティの防御を強化するとともに、サイバー攻撃から自社を守ることができます。
外部脆弱性スキャンと内部脆弱性スキャンは、システムの弱点から組織を守るうえで、いわば組織の強力なコンビです。それぞれの用途とメリットを詳しく説明しますが、まずは概要を見てみましょう。
外部脆弱性スキャンと内部脆弱性スキャンの違いを簡単に比較すると、次のようになります。
| 項目 | 外部スキャン | 内部スキャン |
|---|---|---|
| 目的 | 外部の脅威から防御 | 内部セキュリティを強化し、ラテラルムーブメントから保護 |
| 対象範囲 | 外部公開資産 | 内部ネットワークとシステム |
| 手法 | 倫理的ハッキング、レッドチーム、ペネトレーションテスト | 脆弱性スキャン、パッチ適用、緩和策 |
| ユースケース | 外部からの攻撃を防御 | 内部リスクを軽減 |
| メリット | 外部の脅威から保護 | 内部セキュリティの改善 |
| 頻度 | 定期的、または変更時に実施 | 内部セキュリティのため定期的に実施 |
| ツール | Qualys、Rapid InsightVMなど | Qualys、Rapid InsightVMなど |
| アプローチ | 外部の脆弱性を特定 | 内部の脆弱性を発見 |
| レポート | 深刻度評価、修復情報 | 内部脆弱性レポート |
| 連携 | 外部のセキュリティチーム | 社内のIT・セキュリティチーム |
| コンプライアンス | 外部の標準・規制 | 社内のセキュリティポリシー、規制 |
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外部脆弱性スキャンとは?
外部脆弱性スキャンでは、外部公開システムへの攻撃をシミュレーションし、悪意のあるハッカーに悪用される可能性のある弱点を特定します。これは、自動化されたペネトレーションテストに近い手法です。脆弱性を先回りして明らかにすることで、防御を強化し、システムとデータを保護できます。デジタル上の境界を常に警戒して確認する警備員を置くようなもので、組織を外部の脅威から確実に守るのに役立ちます。
外部脆弱性スキャンの4つのメリット
外部脆弱性スキャンは、侵入者からネットワークを守るうえで重要な役割を果たします。
- 外部のセキュリティ態勢を検証
- セキュリティ侵害につながる可能性のある弱点を特定
- 企業ネットワーク内の重大な脅威とリスクを特定
- 企業に脅威や弱点をもたらす可能性のある新しいデバイスやサービスを突き止める
外部で見つかる一般的な脆弱性リスク
外部スキャンでは、セキュリティチームが対処すべきさまざまなサイバーリスクを発見できます。具体的には次のとおりです。
外部脆弱性スキャンはいつ実施すべきか?
外部脆弱性スキャンの実施頻度は組織の規模によって異なり、小規模企業と大企業では適切な頻度が異なります。大規模な組織では通常、最適なネットワークセキュリティと最高レベルの保護を確保するため、年間を通じて複数回のスキャンが必要です。一方、小規模な企業や組織では、年1回の実施で十分な場合があります。
ただし、組織の規模にかかわらず、脆弱性スキャンの頻度は、変化する脅威の状況と各組織固有のセキュリティニーズに応じて常に調整する必要があります。こうしたスキャンで脆弱性を定期的に評価すれば、規模を問わず、組織は潜在的なセキュリティ上の弱点を先回りして特定・対処し、ネットワークを侵害の可能性から強化できます。
関連記事:ペネトレーションテストと脆弱性テストの違い:重要なポイント
内部脆弱性スキャンとは?
内部脆弱性スキャンでは、外部の防御をすり抜けた可能性のある弱点を特定します。これは、社内のあらゆる見落とされがちな場所に精通した人物が、悪意のある内部関係者や、外部の防御をすでに突破してネットワーク内を横方向に移動しようとしている熟練攻撃者に悪用される侵入口を探すようなものです。
内部脆弱性スキャンを実施することで、こうした内部の弱点を発見して修正し、企業の重要資産と機密情報を確実に保護できます。これは安心感をもたらすだけでなく、デジタル要塞の内部に潜む脅威に対する追加のセキュリティ層として機能し、潜在的な攻撃に一歩先んじて対処できるようにします。
内部脆弱性スキャンの5つのメリット
内部スキャンは、悪意のある攻撃者が重要なアプリケーションやデータに到達するのを防ぐ重要な防御線です。内部脆弱性スキャンのメリットには、次のようなものがあります。
- 内部のハッカーの行動をシミュレーションし、脆弱性を特定
- 内部関係者のアクセス権を検証
- 修復すべき脆弱性を特定して優先順位付け
- パッチ管理とセキュリティ管理の改善に役立つ知見を提供
- 修正し、規制要件へのコンプライアンスとセキュリティ基準への準拠を改善
内部で見つかる一般的な脆弱性リスク
内部スキャンでは、さまざまな深刻な脅威を発見できます。
- 許可されていないPCやモバイルデバイス
- IoTデバイス(Wi-Fiテレビなど)および接続された産業用機器
- 脆弱なパスワード運用
- 許可されていないアクセスレベル
- 許可されていないデータ開示
- 不十分なシステムメンテナンス
- 保護されていないコンピュータ端末
- 安全でない内部ネットワークアプリケーション
内部脆弱性スキャンはいつ実施すべきか?
内部脆弱性スキャンは、組織の内部ネットワーク、システム、アプリケーションのセキュリティを維持するうえで不可欠です。内部関係者や侵害されたデバイス、アカウントからの攻撃をシミュレーションします。大規模な組織は、ネットワークセキュリティを監視するために、こうしたスキャンを定期的に実施する必要があります。内部関係者による脅威、設定ミス、侵害されたユーザーアカウントなどの要因により、依然としてリスクにさらされる可能性があるためです。スキャンを実施すれば、脆弱性を発見して迅速に対処し、不正アクセスやデータ侵害の可能性を低減できます。小規模な組織も内部脆弱性スキャンを検討すべきです。見逃されがちなセキュリティ上の弱点を発見できるためです。
内部スキャンを定期的に実施することで、組織はより高いレベルのセキュリティを維持し、重要資産を保護できるという優位性を得られます。大規模な組織も小規模な組織も、脆弱性を先回りして特定・対処し、防御を強化して貴重な情報を守らなければなりません。
両方実施すべきか?
企業のデジタル資産を完全に保護するには、外部脆弱性スキャンと内部脆弱性スキャンの両方を実施することが推奨されます。ここでは、両方のスキャンを実施するのが適切なタイミングと、その理由について説明します。
外部スキャンは、外部からアクセス可能な企業のネットワークやシステムのセキュリティを評価するために使用されます。そのためには、ネットワーク境界を調査し、公開IPアドレスを確認するとともに、外部からの潜在的なアクセスポイントを評価する必要があります。外部スキャンを実施することで、組織は防御の突破を試みる外部の攻撃者に悪用される可能性のある脆弱性を把握できます。
一方、内部脆弱性スキャンの目的は、企業の内部ネットワークやシステム内にある弱点と脆弱性を特定することです。通常は、企業のネットワーク境界内にあるサーバー、ワークステーション、ソフトウェアなどに重点を置きます。インターネットから直接アクセスできない場合でも、脆弱性スキャンを実行することで、企業はネットワーク内部に存在する特定のセキュリティホールや設定ミスを特定できます。
では、なぜ両方のスキャンを実施する必要があるのでしょうか。それは、セキュリティ環境の異なる側面をカバーし、それぞれ異なる役割を果たすためです。
外部スキャンは、攻撃者の視点からセキュリティ態勢を評価するうえで不可欠です。外部からの攻撃をシミュレーションすることで、オンライン犯罪者にさらされる可能性のある弱点を発見できます。これにより、防御を強化し、弱点を修正して、攻撃が成功する可能性を低減できます。
外部脆弱性スキャンと内部脆弱性スキャンを組み合わせることで、脆弱性をより詳細に把握できます。両方のスキャンは、ネットワークアーキテクチャ、アプリケーション、システムに存在し、内部と外部の攻撃者に悪用される可能性のあるセキュリティホールの特定に役立ちます。こうした異なる脆弱性に対処することで、組織は全体的なセキュリティ態勢を改善し、データ侵害、不正アクセス、その他のセキュリティインシデントが発生する可能性を低減できます。
外部・内部スキャンを実施する最適なタイミングは?
これらのスキャンを実施する最適なタイミングは、さまざまな要因によって異なります。一般に、組織は外部の攻撃対象領域の変化を把握し、新たに発見された脆弱性に迅速にパッチを適用するため、外部スキャンを定期的に実施すべきです。実施頻度は、毎月、3か月ごと、またはネットワーク環境に変更(インフラストラクチャの更新やWebサイトの変更など)があったときなどが考えられます。
理想的には、外部脆弱性スキャンと内部脆弱性スキャンも頻繁に実施する必要があります。頻度は、企業の規模、業種、法的要件、リスク許容度によって異なります。たとえば、より複雑なネットワークを持つ大企業では、毎週または毎月脆弱性チェックを実施する場合があります。一方、小規模な企業では、3か月に1回だけ実施することを選ぶ場合もあります。環境のセキュリティを継続的に維持するため、大幅なプログラムのアップグレードやインフラストラクチャの変更後にも、脆弱性チェックを実施すべきです。
外部スキャンと内部脆弱性スキャンを実施することで、組織は外部の脅威と内部の脆弱性の両方に起因するセキュリティギャップを先回りして発見・解消できます。この包括的な戦略により、防御を強化し、攻撃対象領域を縮小するとともに、潜在的なリスクを低減できます。最終的には、デジタル資産を保護し、強固なセキュリティ態勢を維持することにつながります。
関連記事:脆弱性スキャンの12種類と、それぞれを実行するタイミング
結論:外部脆弱性スキャンと内部脆弱性スキャンの違い
外部脆弱性スキャンと内部脆弱性スキャンは、組織を潜在的な脅威から守るために必要な強力な組み合わせです。外部スキャンは外部からの攻撃をシミュレーションしてネットワークセキュリティの強化に重点を置く一方、内部スキャンは内部システムを深く調査し、外部の防御をすり抜ける可能性のある脅威を阻止します。両方のスキャンを実施することで、脆弱性を先回りして発見・修正し、全体的なセキュリティ態勢を改善するとともに、機密データを保護できます。
スキャンの頻度は、企業の規模や固有の要件によって異なりますが、新たに生じるリスクに先んじるには継続的な評価が不可欠です。外部脆弱性スキャンと内部脆弱性スキャンの能力を組み合わせることで、デジタル資産を安全に保ち、サイバー攻撃に対する強力な防御を維持できることを忘れないでください。
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