トランプ政権が新たに発表した2026会計年度予算案は、サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)を大幅に縮小し、人員を約30%削減するとともに、運営予算から約5億ドルを削減する内容となっている。
議会で承認されれば、この計画は同国のサイバー防衛を担う機関としては過去最大の縮小となり、2018年の設立以来初めて、職員数を3732人から2649人に減らし、予算を4億9500万ドル削減することになる。
重要部門を横断して大幅削減
最近公表された予算文書からは、CISAに対する大幅な削減案が明らかになった。主要部門全体に広範な影響が及ぶ見通しだ。
連邦ネットワークの安全確保と重要インフラの防護を担うサイバーセキュリティ部門は、2億1600万ドル(18%)の削減と204ポストの廃止に直面している。ステークホルダー・エンゲージメント部門も大きな打撃を受け、予算は62%(6220万ドル)削減され、127人の職が廃止される。
電力網や交通システムなど重要インフラへの脅威を評価する国家リスク管理センター(NRMC)は、9730万ドル(73%)の削減と70ポストの削減が予定されている。
企業や地方自治体への地域支援を調整するCISAの統合運用部門は、4620万ドル(20%)の削減となる見込みだ。一方、現場でのサイバーセキュリティー活動に不可欠な地域運用チームは、3600万ドル、現在の予算の約27%を失うことになる。
さらに、現在空席となっている301ポストには引き続き予算が付かない。
国土安全保障省(DHS)によると、今回の人員削減には、任意参加の人員移行プログラムを通じてすでに進行中の退職も含まれる。
DHSは声明で、「CISAはこの削減を維持し、ミッションに不可欠なポストのみを補充する。これにより、不可欠な機能への支援を継続しつつ、こうした任意プログラムを通じて人員を最適化する」と述べた。
主要プログラムも削減対象に
複数の著名なCISAプログラムが、予算案の下で大幅な削減に直面している。
- サイバー防衛教育・訓練は4540万ドル削減され、政権は代わりに利用者が無料のリソースを利用できるとしている。
- 脆弱性評価は3080万ドル削減され、最も重大な脅威だけに重点を移すことになる。
- 共同協調環境は3650万ドル削減される。
- 共同サイバー防衛協力体は1400万ドルを失う。
政府機関に提供されているサイバーセキュリティー・サービスは1970万ドル縮小される。最も大幅な削減の一つは選挙セキュリティーを対象とし、14ポストすべてと3670万ドルの予算全額を廃止する。
「前政権下のCISAは、いわば真実省のような役割に関与していた」。先月の議会公聴会で、選挙関連の削減を擁護したDHS長官のKristi Noem氏はこう述べた。「何が誤情報で、何が偽情報なのかを定義し……何が真実で何が真実でないのかを決めていた」
議会で先行き不透明感
予算案はCISAの将来に関する政権の構想を示しているが、最終的に何が法律になるかを決めるのは議会だ。現在は共和党が上下両院とホワイトハウスを掌握しているものの、米国のサイバー防衛を弱体化させることへの懸念は超党派で示されている。
下院国土安全保障委員会のサイバーセキュリティー・インフラ保護小委員会委員長を務めるAndrew Garbarino議員(ニューヨーク州選出、共和党)は、最近の公聴会で懸念を表明した。「サイバーセキュリティーの脅威環境が拡大していることを踏まえると……システム担当職員を削減しても、サイバーセキュリティーを必要とする人々に提供するというCISAの使命の達成にはつながらないのではないかと懸念している」
当面、トランプ政権はCISAの使命を絞り込み、「重複している」あるいは「中核ではない」と見なす業務を削減する計画をさらに推し進めている。
議会が予算協議に備える中、サイバーセキュリティー業界は、議員らが今回の削減案を承認するのか、抵抗するのか、それとも修正するのかを注視している。





